トールキンの作品とは全く関係ありません。
間際らしくて申し訳なくっ;
完全なるオリジナルです<(_ _)>
一つの指輪が2つ、二つの指輪が1つ ~Nevichi in maggio antera~
(どうしよう。。)
タヤは白い天井を睨めつけこの日何度目になるか分からないため息をついた。
(っていうかなんで無いの?そしてなんであるの。。?)
つまりはこうだ。亮から貰った指輪を失くし、ジュエリーボックスにはまるで見た事も無い指輪が収まっている。しかもサイズが合わない指輪だ。
(何故なんだ!!酔っぱらっていた時の記憶。。イヤイヤ指輪は最近してなかったよね?私は?)
記憶の糸を手繰り寄せたいのは山々だが、肝心の指輪の記憶がジュエリーボックスにポンと放り込んでからまるで無い。
「タヤ最近、指輪してないよな。。」
少し寂しげに口端を上げる亮は私の上げたと思われる指輪を左手ごと目の前にずんと差し出した。
「ちょっと水仕事が多い部署でさ。ほら、失くすと困るから。。ね。」
弱々しく笑う私に追い討ちをかける様に
「まさか失くしたとか?ありえないよな?」
何故かニヤニヤと嬉しそうな様子の亮に私はナニカガオカシイと直感した。
「ちょっと指貸して!」
「。。なんで?」
「いいから貸して!!」
「タヤちゃん~眉間にしわ寄り過ぎだよ?」
おどけてみせる亮を無視して指輪を取り上げ内側を確認する。
。。やっぱり。ryo to taya になってる。
「これ。。私のだから。てかなんで持ってくの?そしてなんで違う指輪を入れてくの!!」
「。。意味不明。これは俺のだよ?もしかしたら本当に無くした?」
突然普段よりも2オクターブ位低い声で亮が呟きそっと私の掌の指輪を取った。
「。。。」
(でも‘亮からタヤへ’だよね。。いつもの如く亮が嵌め様としてるんじゃなくて?)
混乱してきた頭に活を入れる様にこめかみをグリグリとしながら、とりあえずは正直に話して謝らないと、と思う。
「。。指輪」
「うん。」
「姿が見えないの。」
「?」
「きっとあれだよね。気分転換に一人旅ってやつ。。かな?」
「。。」
「ごめん!!1週間も探してるのに見つからないの。まだ探すけど本当にごめん!!」
「いいって。また買ってやるよ。。指輪」
「!。。いいよ!!。。いや、気持ちだけで嬉しいから!亮ちゃんいるし、亮ちゃん自体が魔除だから!」
亮のからかう様な拗ねる様な眼差しを後目にタヤは「休憩終わるから」とそそくさと席を立ったのだった。
人間てさ、大切なモノに限って失くすし駄目にするじゃん?
―うん。。
それってやっぱり悲しいけどさ、記憶としては失くしたモノの方が記憶に残ってるんだよね。ほら今つけてる時計のフォルム克明に思い出せって言われると?でしょ。
―うん。
でも失くしたモノって覚えてるの。その物を包む空気とかその時の自分の気持ちとか。なんでかね。
。。。モノが覚えていて欲しいって囁いてるのかな。あるいはそのモノの裏側にいるものがさ。。
ぼんやりとした白い曖昧な光がふわりふわりと私の目の前を通り過ぎては消えてゆき、こんな午後も良いななんて半分夢見心地でベランダを眺めていると
「おーいナミ聞いてる?」
温かい日溜まりの中で幸せそうにカフェオレを口に運ぶ私とは反対に肌刺す木枯らしの音を引き連れる様な凍てつく瞳を向けながらタヤはボソッと呟いた。手持ち無沙汰なのか単身赴任中の旦那様お気に入りのクッションをひたすら毟っている。
「で、誕生日に亮ちゃんとペアで作ったラブリングを無くしてしまったわけだ、タヤさんは。」
「ラブリングでなく、魔除リングです!」
「ふ~ん。。どっちにしろ私を仲間はずれにして2人だけで作ったから罰があたったんだよきっと。」
「イ。。イヤだからさっ!ナミは結婚したばかりな時だったからね?なんかさここで作ったら隆志に誤解されると思ってさ!」
「ふ~ん。。まあいいけど。どっちにしろ邪な思いで作ったリングだから罰があたったんだ。」
「邪じゃなく!私が怪我ばかりしてるから亮が魔除にくれて。。亮の誕生日に何もあげて無いしお返しに何が良いかって言ったら、指輪で良いと。。」
「ふふ。。それが邪だって。で、無くしたんだ。」
「多分。。でも亮が持ってる指輪は私のなの。。でね?ジュエリーボックスには知らない指輪が入ってたの。」
「じゃ亮ちゃんが失くしてタヤのをこっそり拝借してるとかじゃなくて?って何、知らない指輪?」
「サイズがめちゃくちゃ大きくて、メンズかな?真中に透明な石が入ってるの。」
「!!それってもしかしたらぐるりと指輪の側面に蔓みたいな模様が入っているヤツ?」
「そうそう!って、なんで知ってるの?もしかしたらナミの?」
「あんたにあげるからここに入れておくよって言ったじゃない。それにあれはペンダントヘッドだよ。」
「そっそうだったけ?いっ。。良いの?大事なものなんじゃないの?」
「いやいや。。なんか結婚する前に部屋で見つけてね、多分隆志のだと思うよ。」
結婚する前、アクセサリーなんて興味無さげな隆司がある日見知らぬペンダントを首から下げていて面白くなかったのを覚えている。全く自分の事は棚に上げて何だかな私はと冷めかけてきたカフェオレを一口飲むと、マグの上でタヤが先程毟っていたクッションの綿で雪ダルマらしきものをせっせと作っていた。
「あれは1年以上前に入れてあるはずだよ。タヤ、そのクッション隆司のお気に入り。」
「全く気付かなかった。。って隆司の私が持ってて良いのか?」
まるで聞いてない。その間にもクッションは地の色が見えそうな勢いで毟られていった。
「まっ。。この子は!ところで気になったんだけどさ。あそこに良さげな指輪が二つあったでしょ。」
「ターコイズの事?」
「どんな石かは忘れちゃったけど幾何学模様の。。ほらインディアンジュエリーって言うの?そんな感じの。」
「うん。。久田先輩に貰った。」
「ええ!!海外事業部の?」
「うん、辞める時に。好きなやつ出来たらペアでしろと。」
「私にはくれなかった!」
「いいじゃん。ナミさんはいろんな人から沢山のプレゼンツ貰ってるじゃないですか。」
「亮ちゃんとペアにしなよ。。。いや待て、いっそ私とペアにする?」
ニヤリと笑い、
「亮ちゃん失くしたんだし。あんたの指輪を持ってるんだしね。」
ん。。出来たら続きで出来なかったら了w
拍手ありがとうございます&もう暫くお休みします
12 年前


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